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S社は米国流のビジネスモデルから決別し、日本のSが実践している物流部門のアウトソーシング(業務の外注化)に大転換することにした。 Sは92年11月に物流センターなど5ヵ所を世界最大の小売業、米Wの物流子会社マクレーンに売却し、マクレーンにSの加工食品、日用雑貨の物流業務を委託(残りの施設は閉鎖)することにした。
仕入れ体制も本部に集中し、売り場からの販売実績を基に商品を発注したり、販売動向を参考にして新製品を開発する「チームマーチャンダイジング(チームMD)」の考えを取り入れた。 消費者の変化に対応できなかったことがS社の破綻と見ているSは、「S社を再建するには米国の流通インフラを変えるつもりでやっている」という決意をS経営陣の前で語った。
「なぜアメリカ人はあのぱさぱさのサンドイッチを平気で食べるのか。 唾液の量が日本人に比べて多いのか」。
Y堂グループの幹部はS幹部に真顔で質問した。 S幹部はこう答えた。
「いや、我々だってあのサンドイッチをおいしいとは思っていない」Y堂グループ幹部は「日本のSのサンドイッチをぜひとも食べに来てほしい」と語り、来日を促した。 それから数カ月後、日本でY堂グループとSとの「ボードミーティング」のために来日したこの幹部は、日本の「S」でサンドイッチを食べた。
感想はこうだった。 「どうすればこんなサンドイッチが作れるのか」日本の「S」同様にSはファストフードを強化し、そのトップバッターとしてサンドイッチの商品開発に取りかかることになった。
商品開発の手法はやはり日本のSの考え方がベースにある。 それはまさにチームーマーチヤンダイジングをアメリカに持ち込むものだった。
94年3月、テキサス州ダラス近郊にあったI商事とプリマハムが共同出資で設立したP社のサンドイッチ工場が舞台となった。 まず山崎製パンの現地子会社が出来たての食パンを、米大手食品メーカーのF傘下のK社が具材を提供し、M物産がプラスチックのパッケージを担当した。

すべての商材がプライムデリに集まってサンドイッチ、野菜サラダなどを「S」に供給する体制にした。 従来はプライムデリの冷凍パンを使っていたが、これを鮮度重視の商品に変えた。
プライムデリの工場の脇には共同配送センターを併設し、ここで牛乳などの日用品とI緒にダラス地区の「S」に配送した。 ダラスでの実験が好調だったことから、日米の取引先の協力を得ながらフィラデルフィア州、ニュージャージー州などへ同様な取り組みが広がった。
チームMDにおいては、材料を供給するメーカーは素材の品質に、製造を担当するメーカーは品質と味に、そして配送業者は品質を劣化させることなく定時配送することに責任を持つ。

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